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2023/08/29 コラム
日本の国土の8割は山地です。四季の気候と共に、この山がちな地形こそが、食生活や文化、風習、思想、芸術にいたるまで大きな影響を与えてきました。自転車もまた、影響を受けたひとつではないでしょうか。 山地が多い日本では、山岳を舞台にするヒルクライムレースやロードレースが盛んなこと、ロングライドに走り出せば必ずと言っていいほど峠や山に直面します。 STRAUSS PRO RACE2はレーシングバイクとして「峠」「山」にフォーカスを当てて軽量性を追求しました。この山がちな地理とヒルクライムを楽しむ日本のライダーに対して、日本のスポーツバイクブランドとして取り組む方向性は、この山や峠で如何に勝利を競い、楽しめるバイクを創れるか、にあると捉えました。 前フラッグシップモデル「STRAUSS PRO DISC」は当時ブランド内で複数展開していたカーボンバイクを統合し、高次元のバランスを追求しました。今作「STRAUSS PRO RACE2」では「高次元のバランス」はそのままにフレーム重量にして250g削減。KhodaaBloomのディスクブレーキモデル史上最軽量となるフレーム重量820gを達成しました。 東レT800カーボンをメインに使用したフレームは、山と峠に焦点を当てたレーシングバイクとして、高い剛性感と快適性を両立しています。生産時のフレーム成型時に加圧に優れるEPS製法を使用することで成型に必要な樹脂の量は少量で済み「軽量かつ高剛性」なフレームを実現。 その乗り心地はニュートラルで誰もが扱いやすく、力強くペダリングするタイミングではしなりを活かしてライダーの入力に素早く反応し、レースやヒルクライムの終盤でも脚が残る快適性も併せ持ちます。 そして、私達は現実的な問題にも着手しました。フレームはケーブルのフル内装、セミ内装、外装のいずれのパターンにも対応し、ユーザーのみなさんが大事に使用してきたパーツを最大限活かせるようにしています。 まさに日本の道、日本の使用環境を知り尽くした私達だから表現できる一台です。
KhodaaBloomショップ稲城店店長として働きつつ、自転車競技ではHODAKA FACTORY RACINGの代表として活動する野中秀樹選手によるバイクインプレッション。乗り心地だけにとどまらず、STRAUSS PRO RACE2からブランドの見据える先を見出した。 野中選手はロードレースではJBCF E1カテゴリ、シクロクロスではME1カテゴリで、それぞれのトップカテゴリでレースに参戦しています。2022年末に開催された「稲城クロス第2戦 アミノバイタル® シクロクロス最速店長選手権」では優勝をもぎ取ったレーサー。自転車旅もこよなく愛し、幅広い知識と経験を有する。 私が勤務するホダカ株式会社のKhodaaBloomから新たな旗艦モデル『STRAUSS PRO RACE2』が発表・発売された。 前フラッグシップモデルである「STRAUSS PRO DISC」で実現した高次元のバランスはそのままに、日本の峠にフォーカスした軽量レーシングバイクとして全く新しく生まれ変わっている。 この新モデルに発表直前から2週間ほど乗ることが出来た。 前モデル以前からKhodaaBloomのフラッグシップに乗ってきた経験を踏まえてインプレッションしていきたいと思う。 まず試乗車を手にして感じたのはやはり軽さであった。試乗車にはMAVICの「KSYRIUM SL DISC」というアルミホイールが装着されていたが重量は7.4㎏(ペダルレス)と軽量に仕上がっていた。フレーム重量820gは伊達ではない。 試乗車のサイズは490㎜でリーチは383㎜、身体的特徴や乗り方によっても変わってくるが身長176㎝の私には一つ小さなサイズの感覚だ。 まずは近場である「連光寺坂」や「尾根幹」を走った。どちらもKhodaaBloomショップ稲城店から至近のアップダウンを含む道だ。ライド中も一番に感じる性能はやはり軽量性だろう。信号からの立ち上がりで加速が速く気持ちがよい。 フレーム重量820gは十分軽量だが、決して最も軽いわけではない。700g前後のフレームも存在する昨今、『STRAUSS PRO RACE2』は820gで卓越したバランスを確保している。 軽量バイクはその軽さからバイクの振りが軽く、ダンシングの軽さが際立って良い印象がある場合が多いが『STRAUSS PRO RACE2』は予想に反してシッティングの感覚が非常に良かった。どっしりとサドルに座って高トルクをかけるレーシーなシチュエーションもよかったが、ロングライドの途中などに出てきた登坂で無駄な体力を使わないよう軽トルクでクルクルとペダルを回してパスするような場面でもこの良さを感じることが出来るだろう。もちろん軽量バイクらしい性格はしっかりとあり和田峠でダンシングを使い大きな力をかけつつバイクを振るシーンではバイクの振りが軽く、BB、チェーンステイ周りはしっかりとした剛性感で推進力を生んでくれた。 試乗車はアルミのハンドル周りとクロモリレールのサドルが取り付けられていたのでダンシングの軽さはまだまだ良くできるポテンシャルの高さを感じた。 卓越したバランスが活きるのは登坂だけではない、登坂の後には必ず下りが待っている。ここでは『STRAUSS PRO RACE2』の扱いやすさを感じることが出来た。緩やかなワインディングが続く大垂水峠、Uターンに近いようなつづら折りが連続する和田峠、どちらの下りでも減速、コーナリング、加速に癖がなく荒れた路面でも乗り心地が良い。 レーシングモデルながら扱いやすく、非常に乗り心地が良いという特徴はKhodaaBloomが以前のモデルや現行アルミモデルの『STRAUSS DISC』で一貫してきたドロップデザイン(シートステーをトップチューブの交点から下へずらす形状)を採用しない事から来ていると思う。 ちなみにこのニュートラルな性格は組み付けるパーツを選ばないこともメリットで、ホイールを変えてMAVIC『COSMIC SLR 45 DISC』でも同じコースを走ったが、全くタイプの違うどちらのホイールでも良い部分を打ち消さない事が特徴的だった。 スペックを見ればわかる部分だがメカニックという立場からも簡単に言及しておこうと思う。稲城店に展示するため『STRAUSS PRO RACE2』を2台組み立てた。 『STRAUSS PRO RACE2』はフルインターナルに対応しながらも、セミ内装(フレームのみの内装)にも対応している。さらに付属部品の交換で機械式コンポーネントにも対応することで現存するディスクブレーキ用のロードバイクコンポーネントであれば全てに対応しているといえるだろう。 これにより理想だけでは語れないライダーの現実的な問題を解決し、多くの方の選択肢となるバイクとなっている。専用化が進む中でこのユーザビリティの高さは嬉しいポイントだ。 昨今のレーシングロードバイクの方向性はワット削減、いわゆる抵抗を少なくしていくことに傾倒してきている。フレームは全てのチューブ、ステーにいたるまでエアロ形状を採用し、シートポストやハンドルは専用、さらには無線式の電動コンポーネント専用のフレームなども数多く存在する。乗り手がバイクに合わせる時代が始まっているのだ。 スピードを競うロードバイクにおいてこの方向性は間違いではない。 日本では山がちな地形からライドに出れば多くの峠に差し掛かる。島国の特徴でもある急峻な登りでは自ずと速度が落ちてしまうだろう。また交通規制の難しさから国内のロードレースもこのような特徴を持った登りを含む周回コースが多い印象がある。 さらに細かなつづら折りを持つ峠も多い。ストレートが短いつづら折りの下りはやはり速度が出しづらいのだ。このような環境でも本当にエアロが絶対性能なのだろうか。自転車とは本来もっと自由で、人に寄りそう乗り物ではなかっただろうか。しっかりとした性能の中に普遍的な価値と、この問いに対するKhodaaBloomの答えを見た気がする。 執筆した野中選手とKhodaaBloomショップ稲城店の情報は こちら山とともに在る日本人のためのロードバイク
Features
また、KhodaaBloomの直営店限定となりますがフレームセットに加えてコンポーネント、ホイールといった主要なパーツをセットにしたBikeKit(バイクキット)という販売方式をご用意しました。BikeKitは完成車のように細かな部品選定はお任せで購入したい方にKhodaaBloom直営店がご提案する販売方式です。フレームセットに加えて主要部品を定型化することでスピーディに組み立てでき、短納期で完成車の形でお渡しすることを目指し、入手性や手持ちのパーツの再利用性を高めることに取り組みました。Details
フレーム成型時のカーボンレイヤーに従来よりも加圧できるEPS製法を導入。成型に必要な樹脂の量を削減し『軽量かつ高剛性』そして高強度を体現している。
KhodaaBloomとして初採用したワイヤーをフル内装したコクピット周辺。見た目がスッキリするだけでなくハンドリングがスムーズになることで操作性が向上する。
ボトムブラケットとチェーンステーはペダリングの左右パワー差を考慮して左右非対称設計を採用した。また、ボトムブラケットはボリュームあふれる形状に、チェーンステーはボックス形状を採用することで剛性を高めている。
UCIに認定されたことを示す認証デカール。
国際レースで戦うことへの自信の証としてKhodaaBloomとしてはじめて取得した。
パールの入ったシルバーの塗装にホログラムロゴを搭載。所有欲を満たすデザインに。
Visual
シクロクロス最速店長によるバイクインプレッション
※490サイズ適応身長=165cm~175cm
登り坂に入るとバイクの性格が前面に出てきて『山を競い、峠を楽しむ』というコンセプトが良く似合う事が分かる。ただただ登りが楽しい。 走るうちに軽量性だけの『軽さ』ではないことに気づいた。EPS製法で形成されたフレームとボリューム感のある左右非対称のBB、チェーンステイから生まれる剛性感はぐんぐんとバイクを上へ上へと進ませてくれた。
これが次項でも述べる軽量だけではない軽さの部分である。卓越したバランス・扱いやすさ
ニュートラルな形状のフレームは誰でも乗った瞬間に扱いやすさを感じる事ができるだろう。ドロップデザインを採用しない事で長くなるシートステーは振動を吸収し安心感をもたらす。速度の出る下りやレースなどのシーンではこの安心感が精神的な余裕につながりパフォーマンスを最大限に引き出してくれる。幅広いユーザビリティ
UCI認証を取ったことでこれからの活躍を夢見る若者や、すでに格式の高いレースに参戦している本格レーサーのユーザーにも安心して使ってもらえるようになっている。なぜ今軽さ? KhodaaBloomのアンサー
しかしこれは日本国内においても正解なのか?
レースをするすべてのライダーにとっての正解なのか?
そういったアンチテーゼともとれる主張を『STRAUSS PRO RACE2』は発している。製品情報 STRAUSS PRO RACE2 フレームセット
製品情報 STRAUSS PRO RACE2 BikeKit
さあ、めくるめく山の世界へ飛び込みましょう。STRAUSS PRO RACE2を体験するのはあなたです。
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